先日、都内某所のジャガー/ランドローバーお店にお邪魔してきました。
今回の試乗は、ジャガーXF!
(諸事情によりステーションワゴンタイプの試乗になりました)
先日、別のジャガーディーラーにてXEには試乗させて頂きましたが、その時の営業さんとあまりソリが合わず…今回は輸入車販売としては激戦区の地域にて試乗予約をして、乗らせて頂きました。
さて、ジャガーXFですが、先日乗らせてもらったXFよりは車格、価格的にも1ランク上のクルマになります。
ライバル車で例えると、XEのライバルはメルセデス・ベンツならCクラス、BMWなら3シリーズ、アウディならA4といったところなのに対して、XFはライバルはEクラス、5シリーズ、A6と、いわゆるEセグメントの高級サルーン(セダンの意味と思ってください)に該当します。
実はこのクラスって、1番各社の特徴や哲学が盛り込まれやすく、そのメーカーの看板と言っても過言ではありません。イメージリーダーとかフラッグシップモデルとはまた少し異なるのですが。
XFの名前自体は2007年1月に某モーターショーで発表されたコンセプトカー、「C-XF」には既にその名前が見られ、2008年に発売はされたものの、2012年モデルからはデザインを一新、コンセプトカーにほぼ近いデザインで生まれ変わりました☺️
流れとしてはそれまで販売していたS-Typeの後継モデルにあたりますが、それまでの伝統的なジャガーのデザインから全てを一新して生まれたモデルとしても話題になりました。
現在のジャガーのラインナップ(セダンベースで)の中ではXJに続く中核モデルとなりますが、ジャガーさんちの次男坊、XFの実力、魅力を見ていきたいと思います☺️
ナンチャッテ自動車評論家、sazabinさんのインプレです。
なお、あくまで個人的観点なので気を悪くされたらすみません。
個人的評価ですが各項目については5段階で評価したいと思います😃
試乗車:ジャガーXF
グレード:SPORTSBRAKE PRESTIGE (ディーゼル)
☆目次★
エクステリア(★★★★★)
※写真はショールーム内にあったガソリン仕様のもので撮影しています。
試乗車は別の色だったのですが、写真のショールーム内のモデルについてはシージアムブルーという色らしいです。自分も似たような感じの色の愛車なので少し共感が(笑)🤭
全体の印象としては、もうこれに尽きると思うのですが、
エレガンス(ノ´∀`*)
優雅、とでも申しましょうか、デザインが綺麗です。
XEは、あれはあれで美しいデザインとも思うのですが…特にフロントヘッドライトの切れ長具合はXEも負けてないな!と感じるのですが、こちらは全長や全幅が拡大されているせいか、その分デザインに自由度があるのかと思いますが、全体のシルエットがとても綺麗なんです☺️
さすがはXKやアストンマーチンDB7も手掛けたイアン・カラムのデザインですね✨
何でも、このXFではコンセプトカーのC-XFの時から過去のジャガーに対するオマージュというか、各部の要素に過去のジャガーのデザインイメージを盛り込んでいるのだそうです。例えばグリルは初代XJ、ボンネットはE-Type、リアピラーはXK、という具合なのだそうです。こういう伝統を大切にするところはデザインが一新されてもジャガーらしくていいですね!(*^^*)
ちなみに3サイズとホイールベースは、
全長:4,954mm
全幅:1,987mm
全高:1,496mm (セダンは1,457mm)
ホイールベース:2,960mm
…改めてサイズ書いてみるとかなり大きめですね😳💦少なくともデザイン的には車幅が2メートル近くあるようには思いませんでした。このあたりもデザインのマジックなのかもしれません。
フロントデザインは上位モデルのXJに近い雰囲気です。昔はジャガーと言えば、ボンネット先端にジャガーのマスコットでもあるリーピング・キャットが置かれていましたが、現在では道交法上突起物の扱いになってしまうため取り付け出来ません。
代わりに?グリル中央にジャガーのマーク(絵柄自体はジャガーそのものですが)が付けられてます。ちなみにこの部分はクルーズコントロールやプリクラッシュブレーキのレーダー送信、受信部にもなっています。
フロント部ではその他に特徴的なのがヘッドライトで、ポジションランプを点灯するとLEDのライトが光るのですが、ジャガーのJの形に光るんですね☺️
これは他の車種でも同様で、今後ジャガーのアイコンになっていくのだそうです。
空力的にもかなり計算されており、よくみるとフロントはグリルの部分、中央が少し前に出ている感じになっていて、まずここで分散した空気をボンネット側とサイド側にそれぞれ流れる、というか送り出すような形状になっています。サイドミラーのところもミラーとボディの間に空間をしっかりと確保することで、うまく空気が後ろに抜けるようになっています。
リア周辺は幾らか丸みを帯びていることもあり、ルーフを流れてきた空気と合流したときにも変に渦にならないように工夫されているように思いました。まさに機能を両立したデザインだと思います。
サイドを見てみると、このサイズ感にしてはドアは意外と小さい、というよりコンパクトです。思った以上には隣のクルマへのドアパンチは心配ないかもしれません。勿論、状況にはよりますが。
また、フロントドアは窓を開けた際に外から見るとわかるのですが、内側にフェルトのような素材で出来た枠があり、窓を閉めた際により密閉出来るように工夫されていました。
リアドアも、デザイン重視のクルマにありがちな、後ろ方向へみよーんと延びているタイプのドアではなく、スパッと切り落としたようなデザインになっているため、開け閉めもしやすい上に余分なスペースも取りません。
リアのラゲッジスペース回りは、SPORTSBRAKEというステーションワゴンタイプに関して言うと、コンビニエンスパックというオプションが用意(PRESTIGEのグレードの場合)されており、キーを持っていれば足で開けられるゲートや、専用のリストバンド状のキーを、リアにつけられているJAGUARのJの部分に翳すだけでキーのロックとアンロックが可能な機構がついています。
(例えばマリンスポーツなどやる方なら車内にキーを入れたまま、そのリストバンド状のキーで施錠が出来る、などの利点あり)
リアデザインはセダンベースで作られているとはいえ、こちらのワゴンタイプもとても美しいですね☺️
なお、エンジンルームも拝見しました。
見たのは2リッターの直列4気筒モデルのため、エンジンルーム的にはまだまだ余裕がありましたね。
驚いたのはストラットタワーが斜めに傾いており、通常の他メーカーのクルマと比べてもサスペンションがかなり斜めに取り付けられているというのが面白いなと感じました。
こちらの車両もやはり、バルクヘッド部とはバーで連結されていて、剛性を高めているのがわかりました。
エンジンへの吸気はグリルから取り込み、中央からエアクリーナーへ送られます。
ちなみに、このクラスでも最近は2リッターの直列4気筒が多いですが、エンジンオイルなどを交換したらざっくりでいくら掛かるのか伺ったところ、3万円くらいとのことですやはり高いすね…😱💦
ホイールは写真の展示車はオプションの20インチが装着されていましたが、標準は225/55R17なのでご安心?を…、という感じです。
インテリア(★★★★★)
インテリアも、撮影した車両については黒を基調として、各部をメッキで仕上げたシックな高級感溢れるもの。
内装色は他にもベージュや明るめのグレーなど、購入時にオーダーが可能です。
順に見ていくと、まず運転席。
乗り込む際は頭ぶつけるほど屈む必要はないですが、少し意識はしておいた方がいいかも。
XEの時は車高がさらに4センチ低かったのもあり、スポーツカーに乗り込む感覚でかなり屈まないといけなかったのですが、XEについてはそこまでではないです。
グレードがPRESTIGE以上はシートが電動かつかつ本革シートに。ベースグレードのPUREについては合革のシートだそうです。
電動の他にランバーサポートもついており、細かい調整も可能なので長距離ドライブの際に腰の疲れを軽減することも可能。また腰痛持ちの方にも優しいかと思います☺️
オプションではありますが、シートヒーターにシートクーラーも付けることが可能です。
ステアリングも勿論本革。ステアリングヒーターはオプションです。
革の素材がいいのか、さわり心地もしっとりしてとても良く、握っていて気持ちのいいステアリングです😃
チルト、テレスコピックは電動で標準。このあたり細かい調整が出来るのも適切なドライビングポジションを取るのには必要不可欠ですから助かりますね☺️
メーターパネルは液晶。XFだとeco、ノーマル、スポーツと3段階のモードがあるのですが、各モードに切り替えるとそのモード毎に液晶のデザインも変わります。
中でもスポーツモードにすると液晶のメーターリングなどが赤くなり、気持ちを掻き立てる仕様になります🙂
センターコンソールには10.2インチのタッチスクリーンが。
車輌情報については勿論、各オーディオの調整も可能です。ナビなどは既に標準搭載されてます!さすがというかなんと言うか😅
なお、オプションでデュアルビューという機能があり、それを付けると運転席と助手席で違う画面を表示出来るのだそうで、運転席から見るとナビ、助手席から見るとオーディオ操作、といった振り分けが出来るそうです。
個人的には凄いです!😍と思うし、こういう機能に目がないので是非欲しいと思うのですが、あまりつける人はいないそうです😅
センターコンソールにはドライブのセレクターとモード切り替えのスイッチが。
面白いのは、このドライブセレクターがジャガーの場合はダイヤル式で、エンジンの始動時にニュニュっと競り上がってくるんですね😃操作はそのダイヤルを回して行います。
なお、一緒にエアコンの吹き出し口もクルッと回転してそれまで蓋をされていたのが吹き出し口金現れる、というギミックになっています。このあたりはさすがはイギリス。007のボンドカーっぽいですね☺️個人的にはこういうの大好きですけど(笑)
後部座席はオプションのあるなしに左右される部分もあるのですが、PRESTIGE以上のグレードは必然的に本革シートに後部座席センターコンソールにエアコンの吹き出し口はついています。オプションで後部座席のシートヒーターとクーラーの有無やエアコンの温度調節のパネルが付いてきます。
座席の余裕としては、身長176センチの私でもヘッドクリアランスや膝周りのスペース共々拳1.5個分は確保出来るため、あまり問題はないかと😃
ラゲッジスペースについては、さすがはステーションワゴンというか。
まずテールゲートは電動式で、足を翳して開く機構もオプションで付けられます☺️
1つ驚いたのは、リアのサスペンションがマルチリンク式を採用している関係から、荷室スペースにリアタイヤの張り出しが全く見られず、左右均等の幅が奥まで続いているという😳💦意外とこのようにスペースを大量に稼いでるワゴンは少ないです。
ちなみに幅が105センチ、奥行きは114センチありました。ちなみに後部座席はバタバタと倒せるのですが、荷室側から開くレバーはオプションの扱いになるそうです。
後部座席を倒すと楽に2メートル近くの奥行きは確保出来るため、車中泊も楽々😊ちなみにラゲッジスペースとの段差もなく、完全にフルフラットにすることが可能です。
写真にある両端のレールについてはオプションの仕様になります。
いやー、本当に至れり尽くせりだわ😳💦
安全装備(★★★★☆)
ここまで至れり尽くせりの高級感溢れるジャガーXF。
安全装備についても勿論、抜かりはありません。…抜かりはないのですが、殆どがオプションの仕様になってしまうのが少し残念かも。
標準で装備されているものは何かと言えば、
・エアバッグ類
・フロント/リアパーキングセンサー
・リアビューカメラ
・自動緊急ブレーキ
以上です(笑)😅
最近のクルマに採用が増えてきたセーフティの装備、以下のものは用意はありますが全てオプションの仕様になります。
・レーンキープアシスト
・ドライバーコンディションモニター
・パークアシスト
・ブラインドスポットモニター
・リバーストラフィックディテクション
・サラウンドカメラシステム(360°ビュー)
うーん、ここまでの金額なら標準でもいい気がするのですが。
もしかすると向こうの方は不必要と思う装備が標準で付いているのは嫌うのかもしれませんね。必要かどうかは自分で判断するから選ばせて!ということなのかもしれません。
ちなみにエアバッグについては、前席天井付近、バックミラーの根本にセンサーがあり、そこでドライバーや助手席の人の大きさを測定しているのだとか。
有事の際にはその人の大きさにあったエアバッグの大きさに開くよう調節するのだそうです。その機能は初めて聴きました!😳💦凄い…
ドライビングインプレ(★★★★★)
さて、では注目の走りは?
試乗したのは2.0リッターのディーゼルターボモデル。
スペックとしては最高出力180ps、最大トルク430N・m(発生回転数はどちらも不明です、すみません)なので、重さに対してはどれくらいの性能なのかは要チェックポイントですね😃
ということで試乗スタート。
エンジンスタートさせるとディーゼルだけあって、一度だけブルン!と大きめの振動が。アイドリングは静かで、特に気になる程の音の大きさは感じられません。
エンジンの始動と共に競り出してくるギアセレクターのダイヤルと、回転して開くエアコンの吹き出し口。こういうギミックはやはり男の子としてワクワクしますね☺️
ステアリングを切って道路へ向かいます。
コースの都合上いきなりT字路の交差点だったので、ゆっくりステアリングを切りつつ加速します。
まずここで気づいたのはステアリングは少し切るだけでも車体も反応し、ステーションワゴンにありがちなリアの遅れもない(=リアの剛性が高い)ことと、ディーゼルなのもあって、アクセルを少し踏むだけでも充分に加速してくれるので下手に踏み込む必要もない、ということ。
この時点でかなりいいクルマだな、という印象☺️
最初はノーマルモードから試し、次にecoモードに。
実際はエンジンのコンピュータ側の制御でエンジンの出力特性を変更することでこうした演出にしているようですが、オプションでサスペンションの減推力も調節できる仕様も用意されています。
ブレーキはゆっくりグーッと踏んでみるととてもコントローラブルで扱いやすく、制動力の不足も感じませんでした。
ブレーキング時にも車体は安定していて、ふらつくことも勿論なかったです。
試乗中に感じたことの1つにはリアがかなり剛性が高いなということ。ステーションワゴンタイプなので普通に考えればどうしてもリア側の剛性が不足するはず(底を広げて置いた段ボール箱を想像するとわかりやすいかも)なのですが、乗ってみて感じたのはリアがかなりドッシリとしていることでした。
2018年度から欧州の側面衝突安全性基準がからに厳しくなったこともあり、リア側のフロアやホイールハウス上部あたりをかなり補強しているのではないか、と推察します。
またサイドシル部分でも恐らくは剛性を稼いでいるように思いました。
その効果はバツグンで、アクセルを少し踏み込みながら旋回していても荷重がジワーッとフロントからゆっくりサイドを通ってリアに伝わる様な感覚があります。乗っていてとても心地がいいのです😊長距離も疲れなさそうだし、個人的にはかなりお気に入りとなりました。
モードをスポーツモードに変えると、メーターパネルが赤くなり、スポーツドライビングをしたくなる気持ちに掻き立てられます。
効果はとても分かりやすく、よりパワーがノーマルよりもハッキリと出てきていてるのがわかります。本当に180ps?と疑いたくなるくらいのパワーで、途中道路で一般車輌の追い越しなどでもストレスなく加速して安全に抜き去ることも出来ました。
パドルシフトの変則はこれも早い方ですね!😃ワンテンポ遅れることもなく、即座にギアを切り替えてくれます。
試乗中に唯一気になったのはロードノイズ。
滑らかに舗装されてる道路なら全く気になりませんが、少しアスファルトの処理が荒いような路面ですと、ゴォーーーッというロードノイズが結構入ってきます。
タイヤの銘柄による部分もあるとは思うんですが、パワーに見合ったハイグリップタイヤを履いていますので、このあたりは自身の好みや用途も含めよく検討の必要があると思います。気になる方は、ですけど。
総評
個人的評価ですが、 100点満点中96点。 (ノ´∀`*)
先日乗ったXEの時にも、これはいいクルマだなぁ☺️と感動しましたが、XFはそれを熟成させたような乗り味かもしれません。
4点引いたのは些細な点ですが、気になったのは二点のみ。
一点目、ロードノイズ。
気にしない人に取っては全く問題にならないかもしれませんが、路面によっては気になるかなと。ステーションワゴンというボディ形状のせいもあるかもしれません。セダンにも乗ってみたいかな。
二点目、安全装備の展開の仕方。
クルマが悪い、というよりかはメーカーの作り方、展開の仕方の問題かと思いますが。
いついかなる事故が起こるかはわからないわけで、それに対する装備であればやっぱり標準でいいのではないかと思うのです。
安全を重視してオプション付けていったら買えない金額になった、というのは少しナンセンスな気がするのですが…。
考え方の違いはあるかもですが、日本市場向けに導入しているのであれば、そのあたりは日本に合わせていいのでは?と思いました。事実、このクラスの装備は国産でも標準になってきてるものも多いので。
あとはやはり特筆したいのはその走り心地の滑らかさ!上質さ!ドイツ系ともまた違う上質の乗り味ですよね。
元がジャガーってやっぱりスポーツカーメーカーだから、走りもかなりスポーツしてます。セダン、ステーションワゴン関係なくですね。
好みの部分も勿論あるのですが、個人的にはやはりこういうの乗りたいな☺️
興味ある方は是非一度ご試乗ください!
以上、インプレでしたー( *´艸`)
※あくまで主観的評価となります。
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